【シーズン8 第6話+α 感想】最終回を終えて、今思うこと【ゲーム・オブ・スローンズ】
前回の記事では6話の各シーンについて思ったことを語りましたが、肝心な部分にはあまり触れませんでした。というわけで今回はそのへんの話題。
この記事はもっと早くUPする予定だったのだが、如何せんまとめるのが大変で…(汗)
それと記事の内容についてなんですが、キャラクター/物語の考察というよりかはどちらかというと制作面の話です。
そして恐ろしく長文なります。語りたいことが多すぎてレポート並のボリュームになってしまった(笑) これでも大分省略したほうなんですけどねー。
前後編と2つに分けようかとも思いましたが、区切るポイントも難しかったので断念。
ここから先はネタバレ含みますので、未視聴の方はここでストップしてください。
と、その前に、シーズン8で使われたサントラの全てが収録されたアルバムが早速出ましたよ!!
とりあえず一通り聞いて、今シーズンの私のお気に入り↓(順不同)
-The Rain of Castamere-Serj Tankian
-Flight of Dragons
-A Kinght of the Seven Kingdoms
-The battle of Winterfell
-Battle for the Skies
-The Long Night, Pt.1
-The Long Night, Pt.2
-The Night King
-The Last War
-For Cersei
-Master of War
ウィンターフェルの戦いでは様々な視点に飛んでいることもあり、そこで流れたサントラも一曲の間に曲調がかなり変化してますね。
今シーズンのサントラは全体的にダークナイト臭が強かった。
それにリミックスが多かったかなー。目新しい曲としてはThe Night Kingぐらい。
てかやはり作中で聞くのと、曲単体で聞くのとでは全然違いますね。
視聴中はセリフや効果音でよく聞こえませんから(笑)
サントラが気になる方はSpotify、YouTubeに公式が公開しているので探してみてください。
まぁサントラの話題はここまでにして…本題に入ります。
シリーズ全体としての結末について
ドラマが始まって8年、原作発売当初からファンの人からしたら20年以上という長い時を経て、つい先日最終回が放送されました。
歴史的シリーズの集大成ということもあり、多くの人が固唾をのんで展開の行く末を見守っていたことでしょう。
私も各エピソードが終わる度に感想や今後の予測/期待などを記事にしてきましたし、もちろん最終章にもお気に入りシーンがいくつかありました。
そして今物語の結末を知り、全てを踏まえた上で言わせてもらうと…満足できなかった、というのが私の個人的な感想。
万人受けするオチを用意するのはほぼ不可能だと、シーズン8が始まる前から覚悟していました。ましてやゲーム・オブ・スローンズ規模の作品になると余計。
とは言うものの、まさかここまでやらかして賛否両論になるとはね…。(ていうか賛否両論で収まるレベルではないか…見渡す限りほとんど否)
現地ではシーズン8の再製作を求める署名活動的なことが行われているらしいですし(笑) その活動に関しては絶対実現しないでしょとツッコみたくなりますが。 あれ、このデジャブ感なんだろ…アッ…スターウォーズ…ゲホッゲホッ
まぁそもそもいろんな捉え方があってしかるべきですし、建設的意見は全然良いと思います。その「ある出来事に対して、人によって多種多様な解釈が可能」というのがこのシリーズの魅力でもありますから。
ただ、特に不満点をちゃんと述べるわけでもなく適当に「あの脚本は酷い!作り直せ!」とか喚くのは愚の骨頂なので、私が特に納得できない展開は何だったのか、何が歯車を狂わせたのか、HBO/GRRMはどうするべきだったのか etc... そのへんを自分なりに考えてみました。
不満点①:キャラクターの描き方/結末
これについてはパッと思いつくだけでサーセイ、ジェイミー、ブラン、ユーロン、ヴァリス、ハウンド、アリア、ブロン。
上記キャラのストーリーラインに対しての不満は過去記事でチラッと話したので今回は改めて1人1人語るつもりはありません。
なので気になる方はこのブログの過去記事を参照してください(投げやり)
不満点②:インパクト不足
最終章を通して、ほとんどのメジャープロットにインパクトさが欠けていたなーと。
特に6話(最終話)に関してはこれだったらS6E10の方が余程最終回として優秀だったと思ってしまうぐらい色々中途半端だった気がする。
もちろん最終章では「夜の王の死」、「デナーリスのMad Queen化」、「ジョンがデナーリスを殺す」、「ブランが王」といった急展開が起こりました。
確かにどれも衝撃的ではあったが、私が求めていたのは違う違うそうじゃないのと。
言ってしまえば「レッドウェディング」や「ホーダーの死」以上の衝撃/してやられた感はなかったのです。最終章を以ってしてもね。
夜の王のストーリーラインに於いての衝撃ポイントは結果的に「誰が夜の王を殺すか」の部分だけで、結局夜の王は人類を滅亡させようとしていた悪という位置付けのまま片付いてしまいました。
デナーリスの暴走は過去の不死の館のヴィジョンや、ここ数シーズンのデナーリスの描かれ方からも予想できたし、ジョンのデナーリス殺害に至っては「デナーリスがああなってしまった以上、ジョンがそうするしかないよね」という感想ぐらいしか出てこないんですよ。(ジョンがデナーリスを殺す展開にそこまで不満はないですが)
ブランに関しては最後に全てをかっさらうだけかっさらい、特にな~んにも説明はなし。
衝撃どころか「今までアンタは何してたんだ」という有耶無耶だけが残りました。
最終章を簡潔にまとめると、死の軍団が迫る→ウィンターフェルで死闘→勝利→サーセイとの戦いに移る→デナーリス怒る→王都を攻める→勝利するがデナーリスは反感を食らい退場→王座に座るべき人を決める…
道中メインキャラが退場したりしますが、こうして羅列してみると最終章の流れとしては誰もが予想できる範囲内で収まってしまっている感が強いと思います。
私は英語の勉強も兼ねて海外サイト(YouTube、個人ブログ、Reddit)を漁り、あるキャラクターに対する数多くのセオリー、それに対する反論(アンチテーゼ)を見てきました。
(あ、特にRedditをひたすら漁るのは冗談抜きで英語表現の幅を広げるのに一番効果あると思うのでオススメ(笑))
上記で挙げた夜の王やサーセイ、ジェイミー、ブラン、ユーロン、ハウンド、アリア、ブロンに関しても、ファンフィクションの方が衝撃度やクォリティ的にも数十倍うまく考え込まれているんですよね。
それぐらいこの最終章で起こり得た道筋があった、だがしかしそうはいかなかったと。
「満足できないのはセオリーに期待しすぎたからだ」という意見もあると思いますが、果たしてセオリーとかいったありとあらゆる憶測や情報を遮断し、まっさらなキモチでシーズン8を見ていたとしたら、本当に最終章の出来に満足できていたのでしょうか?
確かに、いくつかの結末については考え方がまるっきり変わっていたかもしれません。
ただ「絶対どっちにしろ満足しなかった」と自信を持って言えるのは夜の王の結末。ということで続きます↓
不満点③:夜の王
多分なんだかんだ私の一番のガッカリポイントはここだった気がする。
夜の王のストーリーラインのほとんどが謎に包まれていたっていうのもあり、期待していたことはたくさんありました。
以前にも言いましたが、現時点で原作では夜の王やホワイトウォーカーはここまで全面に取り上げられておらず、そもそも今後GRRM(原作者)が原作でドラマのように死の軍団をフィーチャーするかすら不明。
もちろんこのシリーズは政治的要素の割合が大きく、ドラマでもS5のハードホームまでは死の軍団の脅威にフォーカスを当てた描写は皆無に等しかったですよね。
ただ、そのハードホームでの一件を皮切りに、展開の流れは「生vs死」という方向へ一気にシフトチェンジしていきました。
夜の王/死の軍団の存在が今後のウェスタロスに大きく影響するんだろう…というのが私の予測だったのだが…。
-なにかと都合良すぎる夜の王/死の軍団の描かれ方
そもそもこれまで、夜の王/死の軍団関連のプロットにはいくらなんでも出来過ぎでしょと思う展開が多いのです。いくつか挙げると、
・ハードホーム、ジョンが野人を助けに来たあの絶妙なタイミングで死の軍団が登場。
・ブランは自らの好奇心のせいで夜の王にマークを残される。
・三つ目の鴉がいた洞窟でも死の軍団に襲われるが、藪から出てきたベンジェン・スタークのおかげで助かる。
・ジョン達が亡者狩りに出かけた時、なぜかメイン部隊から逸れたホワイトウォーカーの小隊が目の前に現れる。
ホワイトウォーカーを倒すと他の亡者も一緒になって崩れ落ちるが、1匹だけはサーセイのところに持っていけと言わんばかりに死なず、手元に残る。
・夜の王は湖の上で待機するジョン達に攻撃しようともしない。
・ジョン達が絶体絶命になった瞬間にデナーリスが駆けつける。(ジェンドリーが壁につき、レイブンを飛ばし、デナーリスが湖に到着するまで相当な時間がかかるはず)
・夜の王はなぜか目の前に止まっていたドロゴン+デナーリスではなく、空を飛んでいたヴィセーリオンに槍を向ける。
・またまたベンジェンが間一髪のところで現れジョンを助ける。
・いつ用意したのか分からない鎖を使って湖に沈んだヴィセーリオンを引き揚げる。
どうでしょう?冷静に考えるとどれもこれも不自然ですよね。
特にシーズン7 第6話。この回は全てが都合良すぎ/道理に反すると多くの批判がありました。
ただ私は一貫して夜の王の描き方を擁護していた立場(シーズン7 第6話でさえね) その理由としては「夜の王には何か別の目的があるのだろう」という印象を受けたから。
そもそもただ単に人類の抹消が目的なら、デナーリスが乗っていたドロゴンを狙えば済んだ話。
数千年も眠っていたはずがここにきて急に活発になり、サムやジョン、デナーリスを殺す機会があったのにもかかわらず見逃した。これも全ては私達が知らない目的のためだと。
夜の王にある種の未来予知能力が備わっていてもおかしくないということを考慮したら、一連の出来事の都合の良さっぷりにも説明が付きますし。
だがしかし、そんな憶測とは裏腹にアリアが夜の王を殺して一件落着。
伏線回収無し、新たなツイスト無し、夜の王の情報/目的も何も解明されることなくこれにてさようなら~という感じ。
当時の批判どおりにあの壁の向こうでの展開はご都合主義以外の何物でもなかったじゃんとがっくりしたわけです。
-アリアについて
ここで話題はアリアに移ります。
以前、「アリアが夜の王を倒す」というのはD&Dが3年前に決定したことだと言いました。
関連記事↓
3年前というと丁度シーズン7の撮影がされていた時期。
そういうこともあり、シーズン7には「アリアが夜の王を倒す展開」に繋がる多くの伏線が敷かれていましたよね。
それ以外にもシリオとの訓練や、シーズン3でのメリサンドルとの再会も伏線だったことがシーズン8 第3話で判明。
でも、この2つ(シリオとメリサンドルのシーン)に関しては撮影されたのは少なくとも6年以上前でD&Dの証言は矛盾しているよね?という指摘をしたのですが、先日ある記事を見つけて↓ その謎が少し解けた気がしました。
長いので要約すると、「アリア/夜の王の描かれ方にはRetconが用いられており、そのため当初GRRMが構想していたアリア/夜の王のストーリーとはかけ離れているのでは?」とまとめられていました。
Retconってなんぞやという感じですが、Retconとは"Retroactive Continuity"の略で、現在の展開に説得力をもたせるため、過去の展開に都合よく後付けすること。
よく映画やドラマである手法みたいです。
つまり私が指摘したシリオやメリサンドルのシーンは本来「アリアが夜の王を倒す伏線」として導入されたわけではなかったらしい。
そういうことなら「3年前に知った」というD&Dの発言も辻褄が合いますよね。
そもそも「Not Today」というセリフ自体はドラマオリジナルだし、メリサンドルがシーズン3でアリアに対して言った「暗闇が見える」というのはアリアが顔のない男になる時に盲目にされることへの伏線、「Brown eyes, blue eyes, green eyes. Eyes you'll shut forever」というセリフも単純に「アリアはこれから多くの人を殺すことになる」という意味だったのではないかと?
まぁ今回の場合のRetconは結構ハマっている方だと思いますよ。
多くの人は「Not TodayやBlue eyesはこのための伏線だったのか!」となったでしょう。自分もD&Dのインタビューを聞くまではそうでしたし(笑)
ただ実際は2つとも違かった。
にもかかわらず、恰もはじめからそのつもりだったように後から「あれらはアリアが夜の王を倒す伏線の1つだったよ」と付け加えるのは「夜の王の結末」をより一層チープにしている気がするんですよね。
だって所詮その2つは後付け設定に過ぎないんですから。
-なぜレッドウェディングやホーダーの死ほど衝撃的では無かったと思うのか
先程レッドウェディングやホーダーの死は私にとって凄く衝撃的だったと書きました。
なぜこの2つが個人的衝撃度ランキング上位TOP2を不動のものにしたのか。
それは真の目的が明かされると同時に点と点が綺麗に繋がり、あるキャラクターの印象をガラリと変えたから。
まさにこれらの要素が夜の王のストーリーラインに欠けていた点だと個人的に感じます。
対して夜の王はアリアに殺されて終わり。
夜の王はただの悪ではなかった、本当の狙いは別にあったレベルのパンチが飛んでくるだろうと身構えていたのに…なんだったんだあれはと。
夜の王の話題だけでめちゃくちゃ語りましたが、いかがだったでしょう。
こういった制作側の状況やこれまでの夜の王の描かれ方も踏まえると、夜の王/死の軍団がアリアに殺されて消滅するという脚本は"凡庸"だと思いませんか?
HBOの誤算&失敗
もちろん満足してない根本的な原因は脚本そのもののクォリティなんですが、それも全て展開を早めたことによる弊害ではないかと。
つまりもっとシーズン/エピソードを増やすべきだった、この一点に尽きるでしょう。
GRRMは最終章放送直前に受けたインタビューで核心を突くような発言をしていました。その際の一文を引用。
Q:「なんでシーズン8で最後なの?」
GRRM:「I don't know. Ask D&D when they come through. We could have gone to 11, 12, 13 seasons but I guess they wanted a life.
=分からないよ。D&Dが来たら聞いてみて。実はシーズン11、シーズン12、シーズン13まで伸ばそうと思えば伸ばせたんだ。でも、D&Dはゆっくりしたかった/他のことをしたかったんだろう。」
GRRM:「If you've read my novels, you know there was enough material for more seasons. They made certain cuts.
=原作を読んだことある人なら分かると思うけど、もっとシーズンを重ねられるほど素材はたくさんあるんだ。D&Dはいくつかをカットしたんだけどね。」
そしてこちら↓はGRRMのオフィシャルブログからの引用。
GRRMは最終話終了後に自身のブログを更新しており、そこにはHBOやキャストへの感謝の意が綴られていました。更に、全員が気になっている質問にGRRMが答えていたので、それを掻い摘んで要所をまとめてみた。
Q:「ドラマと原作で結末は違うのか?」
GRRM: 「Well… yes. And no. And yes. And no. And yes. And no. And yes.
They had six hours for this final season. I expect these last two books of mine will fill 3000 manuscript pages between them before I'm done, and if more pages and chapters and scenes are needed, I'll add them.
=うーん、同じところもあるし、そうでないところもあるよ。HBOが最終章にあてた時間は6時間。対して、原作では残り2部(The Winds of Winter & A Dream of Spring)で3000ページぐらいになる予定だ。もし、もっとページやチャプター、シーンが必要になったら追加するつもりだよ。」
ご覧の通り、どストレートには言っていませんが、GRRMですらドラマでカバーしたのは不十分でもっとシーズンを追加するべきだ的なことを仄めかしています。
そりゃいくらシーズン11、12、13と続いていたとしても、最終的な結末は同じになるでしょう。
ただ、D&Dはたった6話で全てをまとめて完結させることにした。
そうなるといくつかのストーリーラインは強引に終わらせなければいけなくなり、クォリティも当然劣化しますよね。
そして時間が限られていて少ない分、物語の展開を早めることを余儀なくされます。
結果、どうしても「呆気ない感」や「説明不足感」が付き物となってくる。
インパクト不足に感じた原因の1つとして、衝撃度よりその「呆気ない感/説明不足感」が上回ってしまったということもあると思う。
展開を早めるというのはほんとにマイナス要素だらけなのです…。
もっとシーンやダイアログを挟むだけで印象は大分変わってきますからね。
ここで例を挙げるとレッドウェディング。
キャトリンやロブが裏切られて無残に殺される回ですがこの回はシリーズ内でも余裕で上位に入るぐらい大絶賛されています。
それはもちろんあの惨事に至るまで、キャラクターの心境の変化や不信感の表れなど3つのシーズン(3年)に渡って丁寧に描かれていたので感情移入も出来たわけです。
まぁ私はたった6話しかなかったことを考慮すると、デナーリスが狂王化に至る経緯はかなり丁寧に描かれていたほうだと思います。
その代償を他のキャラクターが背負った感じになりましたけどね。特にブラン。
(ヤーラがシオンの死を聞いたときのリアクション、ブライエニーは本当にサンサの護衛をやめたのか、ブランが今まで三つ目の鴉としてやっていたこと、ジェイミーはなぜブライエニーを見捨ててまでサーセイのもとに戻ったのか、ジョンは自分がエイゴン・ターガリエンだったのをどう思っているのか etc...
少なくともこの辺は本編に差し込むべきだったと思うが、ドラマがまだ数シーズン続行出来る余裕があったら↑のキャラクターの結末も全く違うものになっていたかもしれない。)
それと先程も言ったように、大きな展開は原作、ドラマ共に同じになる可能性高いです。なので、完成した原作を読んだとしてもやっぱり満足出来なかった、みたいなこともあり得るでしょう。
ただ、少なくとも原作ではキャラクターの心情を詳細に表せますし、ドラマでは時間/資金面の都合上叶わなかったことも全く気にする必要なく思うがまま書けます。
ましてやGRRMはまだ原作を執筆途中、このドラマの反応を受け、ドラマで欠けていた部分を原作が補うことは簡単ですよね。
このことから、いくら結末が同じになるかもしれないとはいえ、より多くの情報を追加できて上限を気にする必要ない分、原作のほうが出来は良くなるでしょう。
GRRM(原作者)の罪
勿論原作を追い越して進めているわけですから、それぞれのプロットに対する批判が全てHBOに向けられるのは当然です。
この最終章の結果を受けてGRRMを神格化(笑)している人もちらほら見かけますが、是非とも公平な立場でありたい私から言いたいのは、こうなった原因の一部はGRRMの責任でもあるということ。
D&Dはシーズン4まで原作のいいとこ取りが可能だったわけです。
原作に倣ってドラマの脚本を書き、必要ともあれば原作にはないシーンを元のストーリーから大それない程度で加えた。
そういうこともありシーズン前半は原作ファンからの批判もほとんど無く、全て順調でした。
状況が一変したのがシーズン5。
もちろんシーズン5の基盤となる本も既に発売されていましたが、いくつかのキャラのプロットが完全に追いついてしまい材料が完全に尽きてしまったのです。
それ故、ドラマでは何人かのストーリーラインがお粗末な感じになってしまいました。
てかD&Dはドラマの制作を決めた時点で、ドラマが追いつくまでには原作の最終部が発売されるだろうと見込んでいたらしいんですけどね。
ただ想像以上に時間がかかり、まさかのドラマが追い越してしまう状況になってしまったと。
つまり、GRRMがとっとと原作を書き終えていればこんなことにはならなかったはずだよね?と思うのです。
GRRMはシーズン4まで毎シーズン1エピソードの脚本を書いていましたが、原作の執筆に専念したいという理由によりシーズン5からは現場を離れてしまいます。
いや、その気持は分かる。でも、もう最新部の発刊から7年以上経っているんですけど!??!???!? 一体何をしているの!?!?!?
あなた自分のブログでアベンジャーズ エンドゲームの感想ぶちまけている場合じゃないから。マジで。
そもそもなぜここまで執筆が遅れているのか。
噂では主な原因として、各キャラクターのストーリーラインをまとめるのにGRRM自身も収集がつかなくなっているかららしい。
確かに原作ではドラマよりも登場キャラが多く、かなり複雑です。それ故、ストーリーの生みの親でもある本人ですら手こずっているご様子。
そう考えるとドラマのシーズン6はかなり頑張った方だと思いません?(笑)
GRRMから直接伝えられた大まかな素材のみであそこまで完成度/満足度ある出来に仕上げたんですからね。もっと称賛されてもいい。
ここからは余談ですが、ちなみに ある記事によるとD&Dは「ドラマ、原作とでの結末の違い」についての詳細は明かさないつもりみたい。視聴者/読者が自ら原作を読んで体感できるようにとの配慮らしいですけどね。
これは要するにGRRMがD&Dに伝えた3つの衝撃的な展開(1つ目はシーリーンの死、2つ目はホーダーの死)の3つ目は想像するしかないってことですか(笑)
最終章を見た感じデナーリスの暴走が3つ目な気がしますが…他にあるかな?
ゲーム・オブ・スローンズの前日譚
ご存じない方もいるかもしれませんが、実はウェスタロスを舞台としたスピンオフの制作が始まっています。
どの時代にフォーカスが当たるのかは定かで無いですが、「英雄の時代=The Age of Heroes」(1万年前)の頃や、最初の「長き夜=The Long Night」(8千年前)が有力候補ではないかと言われています。
しかもこちらにはあのGRRMも積極的に関わっているとか!
更に聞くところによると、今まで真実だと思っていたことが裏切られる内容になるらしいので、もしかしたら夜の王やホワイトウォーカーの謎が解明される可能性もあると思います。
またあまり過度な期待をするのは良くないですが、待ち切れないですね。
追記:
11月初旬にHBOから英雄の時代/長き夜をメインとしたスピンオフの中止が発表されたみたいです。ただ、完全にスピンオフ打ち切りというわけではなく、別の題材で行うという噂があります。
最後に
最終章で満足しているところ
このまま暗い気持ちで締めくくるのは嫌なので…私が最終章で好きだったシーンを!
特に順位付けはしませんが、ジェイミーによるブライエニーの騎士任命、ブライエニーが兄弟の書にジェイミーの偉業を記したシーン。この2つは別格。ジェイミーがあんな死をしなければもっと良かった…ククッ
その他にもジョラー、シオンの結末には大満足しています。
もちろん死という結果は最悪ですが、ジョラーもシオンも最後の最後まで守りたい人を守り、勇敢に散っていくのは本望だったと思っている。
脚本以外だと、エミリア・クラークの表情の演技は今までの彼女の中で過去最高レベルだったんじゃないかな?
まとめ
最終章の結果がこうなってしまい世界各地で様々な議論が起こっていますが、私自身HBOには感謝の念しかないです。
映像化は不可能だと思われていた原作 "氷と炎の歌"、D&Dがいなかったらこのシリーズがここまで日の目を見ることは無かったし、もちろん私だって出会う機会は無かった。
大袈裟でもなんでもなく、人生が変わりました。
それって途轍もないことだと思います。まさかここまで1つの作品に心を奪われるとはね。
だって冷静に考えて、ここまで考察出来て語れるシリーズこの世に存在する!?!?
この記事だって軽く1万字超えてますからね!?
これも全て大勢のスタッフ、エキストラがいなかったら成し得なかったでしょう。
メイキングも当然全て拝見しているし、製作側の努力/葛藤も十分承知です。
ただ恐ろしいことに脚本が賛否両論だと全てを台無しにするのは簡単なんだなって。誰も最終章のVFXの素晴らしさとかに触れませんからね…。
とは言っても、気に入らなかったから作り直してくれーなんていうのはただの悪足掻きだし、ドラマの下した決断を受け入れるのが未練を断ち切る意味でも一番でしょう。ましてやまだ原作や前日譚が待ち受けているんだし!
兎にも角にも、いままで本当にありがとうゲーム・オブ・スローンズ、そしてHBO&GRRM
おまけ
癒やし要素として、最終話放送直後のオベリン役、ペドロ・パスカルさんのツイートを張っておきます↓
Shut up, it was perfect. #GameofThrones
— Pedro Pascal (@PedroPascal1) May 20, 2019
結末に怒っているファンに対して(笑)
彼が毎回記者の前でマウンテンにやられた時みたいに目を手で抑えたりしているファンサービスを見てて「この人はなんて聖人なんだ」と思っていたのですが、このツイートにも彼の人柄の良さが表れていますね(笑)
ペドロ・パスカルとチャールズ・ダンス(タイウィン役のおじいちゃん)はGoTでお気に入りの役者TOP2!