備忘録

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最終章 シーズン8 第5話 感想 【ゲーム・オブ・スローンズ】

 

 

 

さらば、世界中にごまんとあるセオリー達よ…

 

まぁ言ってしまえば色んな意味で地獄だった…。

はじめに断っておきますが、このエピソードの展開/脚本に関してのポジティブな感想は1、2つぐらいです。

なのでこの先は怒涛のツッコミ祭りになってしまいます。ネガティブな内容ばかりを書くのは気が引けるんですが…すみません、今回ばかりは許して…。

 

ネタバレ全開の批判レビューになりますのでご注意を。

 

 

序盤の展開

 

果たしてあれだけ城壁や船に大量に設置されたスコーピオンにどう立ち向かうのかと思いきや…ゴールデンカンパニー、スコーピオン諸共ドロゴンの火によって呆気なく秒で片付いてしまうという。

先週までのサーセイ有利、デナーリス不利感は一体何だったのかと言わんばかりに瞬溶けしましたからね。

城門前での両軍のスケールも異様に小さい感じがしたし、そもそもゴールデンカンパニー、本当にあの場に全員集合していた?(笑)

 

 

暴君デナーリス

 

百歩譲ってデナーリスが無双するところまでは良しとしましょう。

その結果、サーセイ側についていた兵も降参し始めるっていうのも自然な流れですね。

 

一通り敵の戦力を削り降参の鐘も鳴り響くが、デナーリスの表情は曇ったまま。ついに感情を抑えられなくなったデナーリスは暴走し始めます。

しかし、そんな彼女がまず先に火を放ったのはレッドキープではなくまさかの市街地

 

もうこの辺から戦争映画を見ているような感じだった。特に暴走中の彼女の表情が一切映らなかったってのが一連のシーンの残酷さ/恐ろしさをより一層際立てている。

私もある程度は想像していましたよ。デナーリスが暴走するだろうって。

ただそれにしても、ここまで冷静な判断を欠いて一般人を大量殺戮しちゃうとは…。

 

勿論この行動で彼女が座るつもりだった鉄の王座や、治めるつもりだった街も綺麗に吹き飛びました。結果としては狂王以上のことを仕出かしてしまったと。

 

北部勢も「ほら見たことか」でしょうね。

結局デナーリスは自ら求めてきたものを全て破壊し、灰の女王になってしまったわけです。ここまでの努力や葛藤はなんだったのか。全てが水の泡になった瞬間でしたね。

 

 

さて、ここからは私が特に「え?なんで?」と思った箇所↓

 

 

ジェイミーvsユーロン

 

序盤に早々とドラカリス砲を浴びて海へと落水したユーロン、そんな彼はジェイミーの前に現れ殺しにかかります。

取っ組み合いになり、ジェイミーは大ダメージを受けつつも、ユーロンに剣を突き刺して殺す。

 

まぁ単刀直入に言うと、あのジェイミーがユーロンに勝つなんてどう考えてもあり得ないよね。

個人的にこのシーンは今回のエピソードで1番無理矢理だな~と感じたところです。

原作と比べるとドラマ版ユーロンは穏やかに描かれているというのは有名な話ですが、この結末を見る限り私達が思っていた以上に弱体化されていたっぽい(笑)

 

いやーユーロンの描き方は原作とドラマでかなり違ってきそう。

 

 

アリアの役目

 

シーズン1ぶりに王都へと戻ってきたアリア、またしても自軍の警備兵に止められるシーンは過去シーズンのコールバックともとれましたね。

そんな彼女の目的はリストに入っているサーセイ (+マウンテン)の殺害。

 

デナーリスが攻撃を始めて混乱が渦巻く中、アリアとハウンドはレッドキープ内にまで辿り着きます。しかし、ハウンドは彼女の身の心配をして引き止める。

そんなわけで結局何も達成することができず、アリアは終始王都内を徘徊して終わってしまいました。

要するにただ惨事に巻き込まれただけという。

 

私はアリアがハウンドと王都に向かうということを知ってから↓(下記のアリア&ハウンド&マウンテン欄に記載)みたいな展開を期待していたんですが、そんな希望も儚く散ってしまい…(泣) ぶっちゃけアリアは終盤の視点要因としての役割しかなかったよね(笑)

 

このままだとアリアがあの場にいた意味を問われるだろうし、デナーリスの暴走はアリアの心境に何かしらの変化をもたらすのかな?(まぁそれは当然か)

今回の件を受け、残り1話でアリアの存在が大きく関わってくるとしたら…デナーリスを殺害するぐらいしかなくない…? 相変わらずアリアの汎用性が高すぎて笑う。

 

 

ジェイミーとサーセイの末路

 

そもそもあのカットで2人が退場したのかすら微妙だが、インサイドストーリーを見る限りジェイミーの死に対してD&Dが「That's it」と言い切っているのであれで終わりなんだろう。

 

うーん、どうだろうねこのオチ。かなり意見が分かれそうですけど。私はちょっとうーん…ですね。

少なくとも万人が予想していた「ジェイミーがサーセイを殺す」という展開では無かったですが。

となると魔女の予言でサーセイの命を奪うとされていた「Valonqar」は誰だったことになるの?ジェイミーだとなんか違くない? それとも、そもそもドラマでは「Valonqar」の部分はカットされていたし、全くの度外視?誰か説明求む(笑)

 

とまぁ、あれだけ余裕ぶっこいていたサーセイも、デナーリスが容赦なく市民を焼き殺しているのを見て涙を流すという。

この涙は単純に「負けを確信したから」の涙なのか。もちろん彼女自身身ごもっているということも大きいでしょうね。流石に無残に殺されている市民に対しての涙ではないだろうし…。

 

正直、今回のエピソードではサーセイが物凄く不憫に思えました。若干ウルッときたし。ここまで彼女に同情したのはミアセラの死以来です。

そういう気持ちにさせるというのは、いかにデナーリスが仕出かしたことが罪深いか分かると思います。

 

てか、S5でブロンに打ち明けたジェイミーの愛する人の腕の中で死にたい」という発言、その愛する人とは結局サーセイだったの…?

そうなるとウィンターフェルで待つブライエニーの気持ちを考えただけで辛い。別れ方が最悪だっただけに。

なんかジェイミーのストーリーラインのクォリティ、シーズン8の間だけで天と地レベルで上下している気がする。 どうしたよ一体!?

 

 

アリア&ハウンド&マウンテン

 

ハウンドとの別れ際、「サンダー、ありがとう」と本名を呼んでお礼を言ったシーンは素晴らしかった。

今まで散々「ハウンド」「クソ野郎」呼ばわりしてきたアリアだったが、最後の最後は感謝を伝えると。

 

そして待ちに待ったクレゲインボウル。

マウンテンは生みの親でもあるクァイバーンの頭をかち割り、ハウンドとの一対一を受けます。

それにマウンテンの死に様が焼死というのも皮肉が効いてて最高ですね。

 

ただ、私のガッカリポイントはアリアとハウンドが結託してマウンテンに挑むのを見れなかったこと。

特にマウンテンなんてアリアのリストにも載っているし、アリアの見せ場も今回殆んど無かったんだから、アリア&ハウンド VS マウンテンという構図のバトルでも問題なくない!?となりました。

 

長年、兄弟間にあった歪みの原因でもあった火、その中に飛び込んで2人共死ぬというオチも悪くはないですが、やはりあれで死ぬのはマウンテンだけで良かったかなぁ。

ハウンドには瀕死になりながらでも勝利してもらい、その後に慈悲としてアリアによって心臓を刺されて安らかに眠るという展開のほうが見たかった。個人的な意見ですけどね。

ていうか、明らかにそのオチのためでしょ!ともとれる伏線は結構あったと思うのに。なんだったんだあれは(笑)

 

 

ジョンの過ち

 

間接的とはいえ、彼のその正直さが仇となりヴァリスは反逆罪で処刑され、結果的に一連の惨事の片棒を担いでしまったジョン。

なんだかんだデナーリスは死の軍団よりも多くの人間を殺してしまいましたからね…。

ジョンはデナーリスのストッパーにもなりえたってこともあり、彼はそのことも抱え込みそう。

 

次回のエピソード、ジョンがデナーリスに掛ける第一声はなんなのか。

もはや狂ったように1都市を丸々焼いた人に近寄るのは中々度胸がいりますが、まさかこの期に及んでまでまだ「あなたは俺の女王です」とか言わないよね? 

 

"デナーリス王都破壊"のニュースを知ったサンサの反応も気になるところだが、この惨事を回避できる方法はあったのかな…。

デナーリスの暴走も、ジョラー/ミッサンディ/レイガル/ヴィセーリオンの死や北部での彼女に対する不信っぷり、更には正当な鉄の王座の権利者の判明など、そうした出来事が重なった上での結果。

 

特に「ジョンが鉄の王座の後継者」、この事実は彼女にどれぐらいの心理的ダメージを与えたのか。 もしこれが暴走化の最たる原因だとしたら、ジョンとブランが大戦犯過ぎる。

 

またこの話になりますが、ブランはこうなることを全て織り込み済みだったのか否か。

ブランはなぜジョンが正当な後継者だと知ることが重要だと思ったのか、その理由は不明ですよね。

だって結果だけ見たらそのおかげで更に大混乱&大惨事になっているわけですし、ブランには自分しか知らない秘密を握っているはず。

てかもう推測させないでよブラン君?いい加減何か知っているなら話そ!?

 

まぁ色々言ったけど、一番の戦犯はレイガー&リアナでしょうね。 

ロバートの反乱の原因を作った挙げ句、新たな混乱の種(ジョン)を後世に残したわけですから(笑)

 

 

 

感想まとめ

 

私自身このシリーズの大ファンなだけあり、ネガティブレビューを書く/見るのは胸が痛い。ただ今回は想像以上にアレだった。

マウンテン以外の退場者ヴァリス、クァイバーン、ハウンド、サーセイ、ジェイミー、ユーロン…全てしっくりこないなーと。

もう次が最終回とか脳が追いついていませんが、盛り上がり的にここからの巻き返しは厳しいでしょうね。

オチはほろ苦いという情報は前から囁かれていますが、なんか色んな意味で後味悪くなりそう。

 

1つ言っておくと、個人的に期待していた展開にならなかったから満足していない、というわけではありません。

あれだけ最終章だと煽っていた割には今の所誰もが容易に予測できる範囲内の出来事しか起こっていないですよねぶっちゃけ。しかも展開が早いから強引な印象を受ける。

いやー、この調子だと個人的シーズン別ランキングの最下位がS5からS8に余裕で入れ替わっちゃいます(笑)

 

 

視聴直後のツイート↓

 

 

↑とツイートしましたが、GRRM(原作者)はD&D(ショウランナー)に物語の結末を伝えているんですよね。

GRRMがどこまで伝えたのかは定かでは無いですが、大まかな流れはほぼ一緒になるだろうと。デナーリス暴走は原作でも普通に起こりそうだし。

 

今回のエピソードも、デナーリスが容赦なく市民を殺害する描写とかGRRMらしいといえばらしいし、その他キャラの結末に関してはGRRMならもっと段階踏んだだろうなと思う箇所もしばしば。

ただ、少なくとも本だとキャラクターの思考過程や行動理由を詳細に描けますからね。特にS8のジェイミーの心情に関してはもっと情報が必要だったろうし!

ドラマの失敗が展開を早めたことだと個人的に結論づけている私からしたら、どう考えてもストーリー自体は原作のほうが内容に厚みがある仕上がりになると思う。(原作/ドラマ対して思うことはドラマが完結した後に語るつもり)