タンハウス製デバイスの基本情報と湖で溺れた女性の話 【ダーク on Netflix シーズン2考察】
ネタバレを含むので未視聴の方は注意!!
お久しぶりの更新になります。
前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回もNetflix制作ドラマ「ダーク」に関する記事です。
いやあね、伏線の張り具合や雰囲気がどストライクですっかりこのドラマの虜になってしまい、シーズン2視聴後更にもう2周したんですよ。
こんな短期間で何度も見返したドラマはゲーム・オブ・スローンズとダークぐらい。(ゲーム・オブ・スローンズは少なくとも計7周はした(笑))
とは言っても、このシリーズはGoTとはまた一味違うタイプの難解なプロットで隅から隅まで埋め尽くされており、整理が追いつかないと思います。
混乱に陥る要因を挙げ始めたらきりがないですが、その内の1つはそう、タンハウスのタイムマシン。
これに対する疑問は積もるほどありますよね。もちろん私自身も全てを詳細に把握しているわけではありませんが、何度か視聴して少しずつ掴め始めたので今回はそんなタイムマシンの話になります。
と、その前に…
ダークについての記事を書こうとする時に毎回悩むのがキャラクターの表記。
どうするのが最適かは分かりませんが、とりあえず現時点ではどのキャラクターも多くて少年/少女時代、中年時代、高年時代の3つのバージョンまでしか登場しないので、それぞれ少年/少女、中年、高年という表記に統一します。
例:ヘルゲ(少年)=1953年のお坊ちゃま時代、ヘルゲ(中年)=1986年の発電所従業員時代、ヘルゲ(高年)=2019年の老人ホーム時代
例:ヨナス(少年)=2019年の学生時代、ヨナス(中年)=未来のヨナス(謎の男/Stranger)
ただアダムはややこしいので"アダム"のままでいいかな(笑)
タイムトラベルの手段
一番難解であるタンハウス製タイムマシンの話をする前に、まずその他のタイムトラベル手段についてまとめておこうかな。
ダークに於いてタイムトラベルの手段は主に4つあり、1つは洞窟内のトンネル(ワームホール)、2つ目はノア(中年)&ヘルゲ(中年)によって作られた貯蔵庫内にある椅子、3つ目はシーク・ムンドゥスの拠点(教会地下)と2053年にある"神の粒子=God Particle"、そして最後にタンハウス製タイムマシン。
(因みにシーズン1とシーズン2の最終話に現れたポータルは偶然の産物みたいなとこあるのでカウントしていません。)
洞窟内のトンネル(ワームホール)
トンネルはアダム率いるシーク・ムンドゥスによって1921年に採掘が開始され、1986年に起きた発電所の事故により1953年、1986年、2019年という3つの年代を繋ぐワームホールが誕生する。
シーズン2 1話冒頭はまさにノア(少年)ともうひとりの男性(ほぼバルトッシュで確定)が採掘の真っ最中で、これが使用可能になるのは32年後の1953年。
ただこのトンネルはシーズン1の最終話でヨナス(中年)によって閉じられてしまったため、シーズン2ではヨナス(少年)によって再び開かれるまでほとんど出番がありませんでしたね。
シーズン2最終話、カタリーナ(中年)が地図を頼りに洞窟内にあるトンネルの扉を開けたが、1954年、または1987年に繋がるかは定かではないです。
椅子
初期のプロトタイプ型は1986年にノア(中年)とヘルゲ(中年)によって製作。
マッツやエリック、ヤシンはその実験台としてヘルゲ(中年)に誘拐される。ヘルゲ(中年)は洞窟内のワームホールを使い2019年へ来てエリックとヤシンを連れ去ったんですね。
マッツは2019年、ヤシンとエリックは1953年の貯蔵庫へと転送されるが、その転送過程で3人とも死んでしまう。
そして1987年に作られた椅子は扉が備え付けられたりと改良。
突如現れたポータルによって1986年に飛ばされたヘルゲ(少年)、彼は半年後に改良版の椅子を使って1954年に送られたわけです。しかも今回は死ぬこともなく無事生還。
つまり、ノア(中年)&ヘルゲ(中年)によって作られた椅子の初の成功例はヘルゲ(少年)という。 意味わからないよね(笑)
神の粒子
2053年の原子力発電所にあるものは、2020年 6月27日に起きた"終末"によって生み出される。物体の安定を保つには燃料が必要らしい。
一方で1921年のシーク・ムンドゥス拠点にある神の粒子の詳細は不明。
ただ神の粒子は他3つとは違い、好きな年代へと思うがままタイムトラベルが可能(少なくともシーク・ムンドゥス拠点にあるものは)
ワームホールやタンハウス製タイムマシン、椅子は33年前の過去か33年後の未来しかいけませんからね。
タンハウス製タイムマシン
さていよいよ本題。まず初めに基本情報から。
タイムマシンが制作されるまでの大まかな流れとしてはこんな感じになります↓
1953年にクラウディア(高年)によってタイムマシンの設計図がタンハウスの事務所に届けられる。
↓
当時のタンハウス(中年)は設計図を片手にタイムマシンの設計を開始、33年後の1986年にタイムマシンはほぼ完成間近の状態になる。
↓
1986年にヨナス(中年)が持ってきた壊れたタイムマシン+情報のおかげもあり、ついにタイムマシンが完成する。
そしてタイムマシンの完成には下記4つのブートストラップパラドックス+αが関与しています。(ブートストラップパラドックスについての詳細記事はまた次回)
- クラウディア(高年)がくれた設計図
- 「時間の旅」の本
- ヨナス(中年)による機械の説明
- 壊れたタイムマシン
そしてもう一つ、これはブートストラップパラドックスではないですが、ウルリッヒのスマートフォンも完成に貢献していますね。
ここでこのタイムマシンに関する重要な点を。
それはダークで登場するタンハウス製タイムマシンはあの世界に於いて1つしか存在しないということ。
そう、タンハウスはタイムマシンを生涯でたった1基しか作成していません。これはショーランナーによる情報なので確定でしょう。
ただ、ドラマでは明らかに複数の人物がタイムマシンを使用しているし、おまけにタンハウスの作業場ではタイムマシンが2つ隣同士で並んでいるシーンすらあります。
どう見ても2つ以上存在しているじゃんというツッコミが飛んできそうですが…。
これは一体どういうことなのか。
実は、キャラクターが所持しているのはそれぞれ別時代のタイムマシンらしいんですね。
つまりタイムマシンは長年の間に何人かの人の手に渡り、その時代で手にした人が未来や過去に行ったり来たりしているので何個も存在するように見えるだけと。
基本的な原理としては未来から来たクラウディアやヨナス、ノアが若かれし頃の自分と話しているシーンと一緒で、時代が違えば1つの物体/人物が複数存在するということが可能という。
タイムマシンの場合、"物"なので人物と違いビジュアル的な変化を感じづらいってのもあり、全く同じ物がいくつも存在しているように見えますけどね。
タイムマシンの年表
タイムマシンがこの世に1つしか無いということが分かったところで、気になるのはタイムマシンの年表。
これに関しては憶測するしかありませんが、起点と終点だけは確定していますね。
起点は1986年に完成したタイムマシン、終点はヨナス(中年)がタンハウスの作業場に持ってきた壊れたタイムマシン。
そう、ヨナス(中年)が壊れたタイムマシンを持ってきたあの瞬間こそがあのタイムマシンの起点でもあり終点(※一番古い状態)でもあるということなんだと思います。
ヨナス(中年)は壊れたタイムマシンをあの場に残し、完成したばかりのタイムマシンを持っていきます。彼はこれを使って洞窟のワームホールを閉じようとしたのです。
つまりヨナス(中年)が所持しているタイムマシンが最新。
ワームホールの封鎖に失敗した後もヨナス(中年)はそのタイムマシンを使い1987年と2020年を行ったり来たりします。
だがここで事件が発生。
なんとハンナ(中年)がヨナス(中年)のタイムマシンを盗み、1954年へタイムトラベルしてしまう。
彼女はエイゴン(中年)と良い雰囲気になっていましたし、あの時代で新しい人生をスタートさせるつもりみたいでした。
何気なく見ていたこのシーンですが、これはかなり重大な展開になります。
なぜならこのハンナ(中年)の行動がクラウディア(高年)、もしくはノア(中年)のタイムマシン所持に繋がるから。
で、問題はクラウディア(高年)とノア(中年)、どっちが先にハンナ(中年)のタイムマシンを手に入れたのかということなんですが、もうこれは憶測しようがありません(笑)
何らかの理由がありハンナ(中年)はタイムマシンを手元から失うはずなんですが、ここで引っかかるのがシーズン2 6話、バルトッシュの口から語られた湖で溺れた女性の話。
実はその湖で溺れた女性とはハンナ(中年)ではないか?という面白いセオリーがあるんですよね。つまり溺れたのではなく、誰かに殺された可能性があるということですね。
確かに言われてみれば、この手の話を無作為にストーリー上にぶっ込むとは思えないし、ヨナス(少年)は意味ありげなネックレスを湖の岸で見つけています。
その湖で溺れた女性が誰だったか、実際には何が起こったのかがシーズン3で明かされるかもしれない?
まぁタイムスリップしたハンナ(中年)が今後の展開にどう絡んでくるかは結構見ものというか、あの世界がループになっている限り何かしらの重大展開に繋がるはずなのでね。
エゴンに関しても何故誠実そうな彼が酒浸りになったり離婚したのかも不明だし、この辺の事件と関係していてもおかしくないと思います。
一応様々な可能性を考慮した上でのタイムマシンの所有者の遍歴はこんな感じ?↓
青字はドラマ内で描写があり確定、赤字は推測でその後誰の手にタイムマシンが渡ったかは不明。
---1986年にタイムマシンが完成---
↓-[ヨナス(中年)が壊れたタイムマシンを置き去り新品を手に入れる]
ヨナス(中年)
↓-[ハンナが盗み1954年へとタイムトラベル]
ハンナ(中年)←今ここ
↓-[詳細不明 上記の湖の件が関係している???]
※?クラウディア(高年)
↓-[クラウディア(高年)はタイムマシンの在り処を示した地図を過去の自分に渡し掘らせる。その後ヨナス(少年)がクラウディア(中年)を連れて再度ワームホールを開き、2020年に来る。クラウディア(中年)はそのタイムマシンを持って貯蔵庫で終末を迎える]
クラウディア(中年)←今ここ
↓-[詳細不明]
※?ノア(中年)
↓-[ノア(中年)は何らかの目的のためバルトッシュにタイムマシンを渡す]
バルトッシュ(少年)
↓-[ヨナス(中年)は"終末"からマグナス達を救うためバルトッシュのタイムマシンを起動しどこかの時代へと飛ぶ]
ヨナス(中年)←今ここ
↓-[詳細不明]
ヨナス(中年)
↓-[ヨナス(中年)がタイムマシンが壊れるまで何をしていたかは不明]
---ヨナス(中年)の手によって壊れた状態でタンハウスの作業場に持ってこられる---
一応この順序が最も理に適っているかなーと。
先程も触れたように、※?と※?がついたクラウディア(高年)とノア(中年)の箇所に関しては100%の保証できません。真逆の可能性もありますから。
ただ、「クラウディア(中年)が2020年に所持しているタイムマシンがノア(少年)の手元に渡り、そのまま歳を重ね、中年になったノアがバルトッシュ(少年)に手渡す」という流れは有り得そうなので、ハンナ(中年)→クラウディア(高年)と考えるのが妥当ではないかと私は思います。そうすればループは完成しますからね。
てな感じで、シーズン3ではヨナスが所持しているものを含む3つのタイムマシンの経緯を追っていくことになるでしょう。
まぁ3つといっても最終的には全て繋がると思うのでタイムマシンは1つしかないということが顕著に判明するはずです。
クラウディア(高年)がわざわざタイムマシンを埋めた理由
これ意外と明確な理由が説明されていないので疑問だったんですよねー。
なぜクラウディア(高年)は目の前にいるクラウディア(中年)に直接手渡しせず、わざわざ埋めて掘らせたのか。
個人的な解釈としては、クラウディア(高年)は自分のすべきことをするべく1954年に戻る必要があり、そのタイムマシンが唯一の移動手段だったから。
この時点では洞窟内のトンネルはヨナス(中年)によって閉じられているので使用不可だったし。
彼女は1954年に戻ってそこでノア(中年)に射殺されることも知っていたので、この先クラウディア(中年)に会う機会はないと分かっていたんでしょう。
だから将来自分の家が建つ敷地内にタイムマシンを埋めて、後にクラウディア(中年)に掘らせることでタイムマシンを無事受け渡すことに成功したと…こういうことでいいのかな?
とまぁタイムマシンに関しての記事はこの辺で終わり。
ただ上記で挙げた以外にも、誰がタイムマシンの設計図を書いたのか、タンハウスはなぜテレビに映っていたのか、タンハウスが亡くなった経緯など未だに未解決な点もまだまだあるんですよねー。
タイムマシンの行方を追うだけでも精一杯なのに、キャラクターがそれを使って何をしていたかまで考え始めると頭がパンクしそうです(笑)