備忘録

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結局ブランの元へ暗殺者を送ったのは誰だったの? 【ゲーム・オブ・スローンズ】

 

 

 

先日紹介したジョン・アリンの死の真相

そこで"ジョン・アリンの死はこの物語が動き出す要因"と言いましたが、それ以外にももう1つ別の要因がありますね。

 

そう、ブラン暗殺未遂。

 

塔から落ちて昏睡状態のブランの元へ見知らぬ顔の男が突如現れ、ブランの暗殺を図ります。

その場に運良く居合わせたキャトリンが死に物狂いで防ぎ、サマーの活躍で事なきを得ましたが…。

そしてこのタイミングで妹のライサから「夫はラニスターに殺された」という手紙を受け取っていたことなどから、この2つの件は関連しているに違いないとキャトリンは思い、自ら王都へ出向いたりして詮索し始めたのです。

 

ドラマではブラン暗殺未遂もジョン・アリンの死と同様、事件の全体図は不明なままですよね。

しかし、この事件に関しては原作で首謀者が仄めかされています。

なので、セオリーとかそういうレベルの話ではなく100%犯人が確定しているといってもいいでしょう。

 

以下、ドラマ/原作のネタバレあります。

 

 

ジェイミー&サーセイ


 

まずは容疑者としてパッと思いつくこの人達。

 

直前にジェイミーとサーセイが良からぬ行為をしているのをブランに見られたことから、この2人が口封じのためにブランの息の根を止めようと暗殺者を送ったのではないか?というのは誰もが思ったはず。

 

しかし注目すべき点は、ジェイミーはキャトリンに面と向かって「俺がブランを突き落とした」と告白したということ。このシーンはドラマでもありました。

原作ではこの会話に続きがあり、キャトリンは暗殺者のことをジェイミーに尋ねます。「お前が暗殺者を送ったのか」と。しかし、ジェイミーは「そんなことしない」の一点張り。

 

彼自身がブランを突き落として殺そうとしたことを認めた以上、暗殺のことを隠す必要はもはやないんですよね。

つまり、本当に彼が送ったならそれも認めていたはず。否定したので彼ではないことが明らかだと思います。(サーセイの弁護は下記で)

 

 

 

リトルフィンガーが犯人?


 

またお前かよ!って感じですが…。

シーズン7、7話で短剣の所有者がリトルフィンガーだったと明かされ、暗殺者があの短剣を所持していたことから、リトルフィンガーが犯人だったと思っている人が結構多いんですよね。

 

しかし、所有者がリトルフィンガーだったからといって彼が暗殺者を送り込んだとは限りません。

一応表向きではラニスター家に従順なので、サーセイかジェイミーに頼まれて暗殺者を手配したんだ!とも言えなくはないですが、そんな証拠どこにもない。

 

まぁ彼が無実だと裏付ける一番の要因はむしろ「暗殺者がリトルフィンガーの短剣を持っていたこと」だと思います。

濡れ衣を着せられたティリオンも言っていたように、私物の短剣を暗殺者に渡す間抜けはいないですから。

 

 

犯人


 

で、結局犯人は誰だったの?とお思いでしょうが、それはなんと…まさかのジョフリーでした。

この事実を発見したのは冤罪コンビのティリオンとジェイミー。

 

動機はただ単に父親(ロバート)を感心させたかっただけという呆れるような理由。

というのも、サーセイによると、ブランが転落した直後にロバートが「ブランを安らかに死なせるのは慈悲ではあるが、そうするには勇気がいり、我々は弱くて出来ない」みたいなことを酔った勢いで言っていたらしい。

 

ジェイミーはサーセイにその時の状況を尋ねると、彼女と子供たち合わせて4人しか聞いていないことが判明。

そして彼女は暗殺を指示したことを馬鹿にながら否定し、「あれはミアセラはかもね」と冗談を言います。しかし、その時ジェイミーはピンときました。「いや、ジョフリーだ」と。

ロバートの発言を聞いたジョフリーはもし自分が殺せば(厳密には命令するだけだが)褒めてくれるに違いない!と勘違いしたんです。

 

そこで気になるのがあの短剣の入手経路ですが、実はあれはロバートの物でした。

そう、リトルフィンガーが言う賭けの勝者はティリオンではなくロバートだったんです。(リトルフィンガーが負けて短剣を失ったのは事実だったということ)

ジョフリーはそれをロバートから盗み、そのへんで適当に見つけた素人にブランを殺すよう頼んだ、という流れ。

盗んだのがバレないようロバート達が王都へ発った後に暗殺者が現れたのも、計画の内でしょう。

 

その他の証拠として、ティリオンはウィンターフェルでジョフリーがハウンドに「狼殺し」の冗談を言っているのを耳にしていたり…。

更に、ジョフリーがヴァリリア銅の剣(後にウィドウズウェイルと命名)を贈り物として貰い、「ヴァリリア銅はよく切れるので気をつけて」と注意された時に「俺はヴァリリア銅には詳しいからそんな事知っている」と返しました。

そこで怪しんだティリオンが「その剣には同じようなヴァリリア銅の短剣がお似合いですな、柄がドラゴンの骨とかはどう?」と、暗殺に使用された短剣を仄めかす鋭いツッコミをしたんですね。するとジョフリーが動揺。

この様子からティリオンは暗殺者を送ったのはジョフリーに違いないと結論づけたわけです。

 

そしてまたリトルフィンガー劇場


 

もう何か事件があった際、コイツを絡めておけば全て不自然な点が解決する的な思考になってきているが、既にジョン・アリンの死を仕組んでいたリトルフィンガーはこのブラン暗殺未遂もチャンスとみたんだと思います。

 

もちろんリトルフィンガーはあの短剣がロバートに渡ったことを知っています。というかむしろ、暗殺を指示した人物がジョフリーであることにすら他の誰よりも早く気づいていたかも。

あの場(ウィンターフェル)でロバートの短剣にアクセスできるのは限られた人物(サーセイ、ジェイミー、ティリオン、ジョフリー、トメン、ミアセラ)しかいません。

ジェイミーは自らの過ちを別の男に後始末してもらうような性格ではないし、サーセイやティリオンは足がつくようなレア物の短剣を渡したり、不完全な暗殺計画をするほどバカではない。トメンやミアセラはご覧の通り純粋無垢な子供です。

 

ブラン暗殺計画のお粗末な感じや、ジョフリーのサディスティックっぷりを考慮し、リトルフィンガーの賢さをもってすると犯人はヤツしかいないと簡単に読めると思います。

 

ただここでリトルフィンガーがあの娼館でキャトリンに本当のことを伝えても彼は何も得ません。

そこで、スタークvsラニスターのさらなる火種を作るためにティリオンに取られたと嘘をついたんですね。

 

リトルフィンガーが暗殺の首謀者を掴めていなかったにしろ、自身の計画の一部にうまく活用したことに変わりはないので、彼は只者ではないということがわかるでしょう。

 

 

まとめ


 

結局最終的にはリトルフィンガーの敵を惑わす計画大成功!みたいなオチになっちゃいましたが、ティリオンは原作でリトルフィンガーの作り話の欠陥を指摘していました。

リトルフィンガーは「ジェイミーVSロラス・タイレルの試合でジェイミーに賭けて負けた」と言いましたよね。つまりそうするとティリオンはロラス勝利に賭けたことになります。

その話を聞いたティリオンは「オレは身内の負けに賭けない」と一言。確かに2人の関係を知っている人からしたらおかしな話です。このセリフは結構お気に入り。

 

私もジョフリーが犯人だったと知ったときは驚きましたが…それもそうとこのシリーズ、本当に序盤のプロットの濃密っぷりが凄すぎる(笑) ここまで作り込まれた作品無いよ。